ギャラリー |
Sさんが「将来の日本の宇宙開発に貢献できる技術者になりたい」という夢を抱きながら、富山県立大学工学部電子・情報工学科に短期入門した様子を紹介します。 |
期間:平成30年8月17日(金)、8月18日(土) |
富山県立大学工学部電子・情報工学科 射水市黒河5180番地 |
今回の入門でお世話になったのは、電子通信システム工学講座の石坂圭吾先生です。日本の宇宙開発の歴史や現状について、これまでに石坂先生が取り組まれた実験、実際に探査機に搭載された機器についての話、これから打ち上げ予定の水星磁気圏探査機「みお」に関わる苦労話などをしていただきました。 | ||
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1.仕様決定のための観測研究・理論研究 過去の観測結果の解析 シミュレーション 2.試作(研究室レベル) 回路設計,基板設計(部品配置,信号線,GNDラインの配置等) 試作機の特性試験 → シールドルームでのノイズレベル測定 ダイナミックレンジ測定等 試作機による電波受信実験 3.搭載機器の設計・製作(メーカーに依頼) 特性試験(ノイズレベル,ダイナミックレンジ等) 環境試験(振動・衝撃試験,温度試験,真空試験等) 4.搭載機器のかみ合わせ・総合試験 組み込んだ時のノイズレベル測定(他機器からの干渉) 振動・衝撃試験,電磁環境適合(EMC)試験 総合試験(通信系も含めた試験) 5.打ち上げ! 難しい内容もありましたが、色々な写真を見せてくださり、分かりやすく説明していただきました。 |
![]() 振動・衝撃試験 |
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最初に製作したのは、長さ約30cm、3翼のモデルロケット「アルファーV」。キットになっているので、説明書通りに、組み立てればできあがります。 ロケット回収用のパラシュートは小さくたたんで、モデルロケット上部に組み込みます。うまく上空で開いてくれるでしょうか。 |
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次に最初に作ったロケットよりも、少し長いタイプです。写真のようにノーズコーンの下部は、ペイロード(搭載物)が収められるよう、透明チューブが接続されています。 今回はこの透明チューブ内に小型カメラを搭載し、打ち上げから着地までのビデオ映像を撮るのが目標です。 |
![]() 小型カメラ |
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透明チューブ部分に、小型カメラを搭載するために、ちょうどよい大きさの穴を開ける必要があります。最初に糸ノコで大まかに切り込みをつくり、その穴の大きさ・形をやすりで整えます。とても時間がかかり、大変な作業でした。また、小型カメラの奥行きの調整については、割り箸をちょうど良い長さに切ってカメラの後ろに置くことにしました。 | ||
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このロケットの場合、パラシュートは透明チューブの下に組み込みます。上手にたたまないと、うまく開かずゆっくり落下できません。また、ビデオ撮影ができないだけでなく、カメラが壊れる可能性があります。また、上空でパラシュートが開いた後、カメラが地上を向くようにパラシュートの紐の長さを調整する必要があります。 |
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今回使用したロケットのエンジンは「A8-3」「B6-4」の2種類です。大きさは同じですが「B6-4」の方が強力です。このエンジンにイグナイター(点火装置)を使って点火します。イグナイターに電流を流せば先の黒い部分(赤矢印)が燃えます。 | イグナイターが燃える様子です。スイッチを入れたら、煙が上がります。 動画でご覧ください 「ignition.mp4」 |
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まずは、小型の「アルファー3」の打ち上げです。「A8−3」エンジンをロケット本体に装着し(左)、風向きを考えながら広いグランドを移動しています。右手に持っているのは発射台です(中)。場所が決まったら、イグナイターに電源ケーブルをつなげます(右)。 「・・3,2,1、発射!」。煙を上げて上空へあがっていきます。エンジンの燃焼が終了し、パラシュートが放出され、機体がゆっくり落ちてきます。 上手く打ち上げることができました。 打ち上げの様子を動画でご覧ください 「alpha3.mp4」 |
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ロケットに「B6-4」エンジンとカメラをセットしています(左上)。このロケットでは4回の打ち上げを行いました。空中で分解したり、着地がうまくいかず翼がとれたりしましたが、最後は満足のいく打ち上げができました。 | ||
少し風が強かったため、ロケットはグランド隣の実験場まで飛ばされることもありました。 打ち上げの様子を動画でご覧ください 「rocket.mp4」 |
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ロケット搭載カメラの映像を確認しているところです(左)。 上空から撮った地上の映像をご覧ください(2つ)。 「camera01.mp4」 「camera02.mp4」 |
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宇宙開発に携わる方々は、失敗の許されない厳しく緊張感のある現場におられると教えていただきました。今回のモデルロケット打ち上げも同じで、地道な作業の連続ですが、それだけに成功したときの喜びは格別なものでした。 今回の入門で、将来は宇宙工学について学び、日本の宇宙開発に貢献したいという気持ちが、これまで以上に大きくなりました。 |